・夫婦で話し合って、お互いが納得できる分担のバランスを考えよう!


『ワンオペ育児』という言葉があります。
ブラック企業のワンオペレーション労働(1人作業)を自分の家事・育児に当てはめて使われる言葉で、以前は『孤育て(孤独な子育て)』とも言われていました。
私は以前小売業で働いていましたが、当時は毎日残業が当たり前でした。
「仕事なんだから仕方がない」という意識が強くこびりついていたと思います。
幸いその時は独身だったのですが、もし結婚後に転職をしていなかったら、残業の疲れを理由に、子供のことも家のことも全部を妻に任せていたかもしれません。
何気ない意識ひとつで、あっという間に典型的な『ワンオペ育児』は生まれてしまうのです。
あなたの普段の考え方や行動は、パートナーにワンオペ育児を強いることにつながっていませんか?
本記事にて、ワンオペ育児の原因になりやすい思考や行動、そしてパートナーの性格をリストアップしましたので、一度確認してみましょう。
当てはまる数があればあるだけ、負担をさせている可能性が高くなります。
解決のためのアイデアも用意しましたので、ぜひ読み進めてみてください。
家事・育児、やってるつもりになってませんか?
家事・育児の分担は適切ですか?
旦那が「俺も結構家事やってる!」というのでお互いの家事を見える化したら、17対4で私のほうが多くやってました。
— はあちゅう / 「聞く」ビジネス本 (@ha_chu) June 4, 2020
その後、旦那が「ごめん…」って優しくなったので、家事の見える化オススメです。 #名前のない家事 https://t.co/vEl7qSb5kP
あなたは普段、どれくらい家事や育児といった家庭内での仕事をしていますか?
「ちゃんと分担してやっているよ」
という人もいれば、
「自分は苦手だから妻にやってもらっている」
という人もいるでしょう。
ではあなたのその回答について、あなたのパートナーもちゃんと納得していますか?
自信をもって「Yes!」と言える人は素晴らしいです!
しっかりとお互いに話し合って、家庭における役割を決められたのでしょう。
ですが、自信がある方もちょっと不安になった方も、次に紹介する統計データを見てみてください。
もしかしたら「分担しているつもり」もしくは「思った以上にできていない」かもしれませんよ!
妻の家事育児の時間は夫の5倍以上

総務省 平成28年社会生活基本調査 生活時間に関する結果 より)
この表は2016年に総務省が行った、社会生活基本調査の結果の一部です。
6歳未満の子供を持つ夫婦の無償労働(やっても賃金が発生しない行動)の時間について、1日あたりの平均を示したものです。
少し細かいので重要な部分だけまとめます。
無償労働 | 夫 | 妻 |
---|---|---|
家事 | 0時間22分 | 3時間42分 |
育児 | 0時間45分 | 3時間21分 |
買い物その他 | 0時間28分 | 0時間57分 |
合計 | 1時間35分 | 8時間00分 |
なんと妻は夫の5倍以上、家事や育児に1日の時間を費やしているという数値です。
「専業主婦も入っているんだし当たり前でしょ?」
という声も聞こえてきそうですが、厚生労働省の「厚生労働白書」によると、2017年の専業主婦の世帯は共働き世帯の約半分というデータが出ていますので、共働きの方が標準です。
「共働きならば家事・育児の分担は50:50が理想」ということを耳にすることもあると思いますが、いかにそれが遠い数字なのかがよく分かったと思います。
50:50の分担を遠ざけているのは、あなたの行動や考え方が原因になっていないか、この後のチェックで見ていきましょう。
ワンオペ育児度をチェックしよう
ワンオペ育児を作り出すブラック夫の思考・行動10選

紺色らいおんさんによる写真ACからの写真
)前置きがやや長くなってしまいましたが、ここから本題のワンオペ育児チェックです。
いくつ当てはまったらブラックだ、というものではありません。
ひとつ当てはまるごとに、パートナーへの負担につながっていると考えてください。
まずはブラック夫の思考・行動10項目に、あなたに当てはまるものがないか見ていきましょう。
1:仕事だから、帰宅が遅くなるのは仕方ない。 |
2:自分だけの時間は必要だ。 |
3:風呂は絶対にゆっくり浸かりたい。 |
4:対外的な付き合いのほうが家庭より大事だと思う。 |
5:疲れているのに、家事や育児などをやってる自分エライ! |
6:子供に泣かれるとイライラする。 |
7:自分でもできる家事以外はやりたくない。 |
8:やった家事について、妻から注文をつけられるとやる気がなくなる。 |
9:家事や育児をお願いされたとき、面倒くさそうな顔をしたことがある。 |
10:家事をやったら「ありがとう」と言われたい。 |
いかがでしょうか。
ふとした時に頭に浮かんできそうなことだと思いませんでしたか?
下記で、なぜこれらの思考や行動がワンオペ育児につながるのかを解説していきます。
何気ない思考や行動がワンオペ育児につながる理由
パートナーはこんな人?
ワンオペになりやすい人の特徴
ワンオペ育児に陥りやすい、パートナー性格についても見ていきましょう。
1:わりと何でもなくこなせる器用さがある。 |
2:自分でやったほうが早いと思ったら自分でやる。 |
3:人にお願いするのが苦手。 |
4:頑張り屋、負けず嫌い。 |
5:真面目。責任感が強い。 |
うつ病になりやすい人の傾向と似ているかもしれませんね。
自分に自信がある人、しっかりしてそうな人ほど、知らず知らずのうちに多くのことを抱え込んでしまっている可能性があります。
特に育児については、幼少期に子供の世話を日常的に行うような環境だったならいざ知らず、ほとんどの人が初めて行うものであることを忘れてはいけません。
ワンオペ育児を強いないために夫がやるべきこと

RPGsonchoさんによる
写真ACからの写真)家事や育児は自分事であると認識する
昔はそうではなかったのかもしれませんが、今では家事も育児も夫婦が共同で行うものという認識が主流です。
もちろん、稼ぎの割合などを考慮して50:50以外の割合で分担するのはありですが、お互いが納得した状態であるよう、確認をする機会は必要です。
家事も育児も女性がやって当たり前ではありません。
この認識を変えることが大前提です。
夫婦が本音で話せる魔法のシート
「○○家作戦会議」を活用しよう

内閣府の男女共同参画局が提案している
夫婦が本音で話せる魔法のシート 「○○家作戦会議」
というものがあります。
家族が仲良く暮らしていくためには、夫婦の協力体制がとても大切です。
自分の気持ちを上手く相手に伝えられず、モヤモヤしていませんか? このシートを活用して楽しく真剣に、これからの、2人のこと・家族のことを話してみましょう。
日々の家事や育児の項目を洗い出し、どのようにシェアし、お互いに支え合うのがよいのかを確認し合うためのコミュニケーションツールです。
http://www.gender.go.jp/public/sakusenkaigi/index.html より引用
夫婦間の
「今はこういう状態」
「本当はこうして欲しい」
「こんな風になりたい」
を整理するためのもの、というわけです。
もし先ほどのチェックで思い当たる節があったのならば、あなたの方からこのツールを使ってみることを提案してみてはいかがでしょうか。
(引用のリンク先でPDFが配布されています)
また、このシートでは下記5項目のような提案もされています。
難しいことではないので、少しずつ試してみるのもいいでしょう。
まとめ
チェックリストにあなたはどれくらい当てはまりましたか?
ワンオペ育児につながりそうな考え方の人はまだまだ多いです。
周りに流されそうになることもあるでしょうが、まずは家族第一で考えるようにすることが、ワンオペ育児の軽減の第1歩です。
≪参考≫
- 「ワンオペ育児」の現状--首都圏の働く母親の調査から (明治大学商学部 藤田結子)
- 夫婦が本音で話せる魔法のシート 「○○家作戦会議」(内閣府男女共同参画局)
- 総務省 平成28年社会生活基本調査
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