・男が抱っこひもだなんてかっこ悪いじゃないか!
・男性が抱っこひもをすることにより、一部の危険を回避したり、男性自身の心身にもメリットが発生します。
2018年10月16日、映画「007」のジェームズ・ボンド役で有名な俳優ダニエル・クレイグ氏が抱っこひもで娘さんを抱いていたことについて、イギリスのあるジャーナリストが「去勢されたボンド」などと馬鹿にするツイートして大炎上しました。
その後問題のジャーナリストは、自身の担当する番組内で「お仕置き」を受ける形になったわけですが、日本でも男性が抱っこひもを使用するのは当たり前になっています。
本記事に訪れてくれた男性の中には、このような男性による育児が当たり前になっているという流れに焦りを感じ、自分を動かすためにメリットを知りたいと思った方もいるのではないでしょうか。
かくいう私も、かつては抱っこひもの着用には抵抗があった人間のひとりです。(ただし格好うんぬんではなく、密着してる部分が発汗してアトピーがかゆくなる、という理由ですが)
本記事では、抱っこひもの使用に抵抗や不安がある男性が知っておくべき、「男性が抱っこひもをした方が良い理由」を紹介します。
パパが抱っこひもを使うのはかっこ悪くない
「男が抱っこ紐なんてかっこ悪い!」と思っていた。抱っこ紐の男性を見ると「奥さんに逃げられた男」「奥さんの尻に敷かれている男」という感じがしていた。でも子供が3人目となるとそんな事を言ってる場合ではない。今では家事の手伝いや散歩しながら秒速で寝かし付けるのがちょっとした自慢である。 pic.twitter.com/y91YPxgxBU
— ダウンパパ@3人育児奮闘中! (@cocokuruka1) November 13, 2018
抱っこひもを着用した際の姿について、おしゃれかどうかという点で気にする方が一定数いるのは、ツイッターなどのSNSを眺めていると今でも時々目にします。
子育てを経験していない層からみると、そのフォルムがかっこ悪く見えてしまうことがあるのかもしれません。
ですが、育児の当事者になった人からは「男性でも着用するのが当たり前」「付けているのを見ると好印象」という反応が一般的です。
データとして説得力があるか怪しいですが、私が参加している育児系フェイスブックグループ内においてアンケートを取った結果、男性の抱っこひも着用についてはほぼ100%が好印象であると回答しました。

一部のマイノリティの声に惑わされたり、かっこいい、かっこ悪いという自分本位なものさしで判断してしまうことは、あなたにとってマイナスでしかありません。
ちなみに最近のデザインはデニム調だったりシンプルな配色だったりして、女性向けのかわいらしいデザインだけではなくなりました。
ちょっとのぞいてみてはいかがでしょうか。
パパが抱っこひもをするべき3つの理由

「抱っこひもの着用は見た目の問題ではない」という話をしてきました。
ですが「女性からの印象が良いから付けろ」というのではありません。
女性からの印象が動機になる方も一定数いるとは思いますが、本記事では男性が使用することで得られるメリットについても紹介していきます。
愛情ホルモンの分泌でストレス軽減
オキシトシンというものを聞いたことがあるでしょうか。
オキシトシンはスキンシップによって発生する脳内物質で、愛情ホルモンとも呼ばれています。
この愛情ホルモンはスキンシップを行った双方、つまり本記事のテーマに当てはめれば、男性と赤ちゃんの両方に発生するのですが、次のような効果があると近年の研究で明らかになってきました。※1)
また桜美林大学リベラルアーツ学群教授の 山口創さんによれば、父親はただただ、抱っこするだけでは母親に比べてオキシトシンが発生しにくいそうです。※2)
それなら抱っこひもじゃ意味がないのでは?と思うかもしれませんが、それは逆で、ただでさえ発生しにくい上にスキンシップを取る機会が少なくなりがちなのですから、触れ合える機会を積極的に持つべきなのです。
オキシトシンは赤ちゃんにとっても学習能力能力向上やストレス耐性向上の効果があるとも言われていて、社会性を高めることにつながります。
子供をだっこする機会は、成長とともに減っていくものです。
男性は外出する際に抱っこひもを使わずに抱いていることも多いかと思いますが、両手がふさがることでいざというときの対応が遅れますので、便利なものは積極的に使っていくべきです。
≪参考≫
※1) 脳の不思議を考えよう第11回「ストレスと脳」-公益財団法人テルモ生命科学振興財団
※2) スキンシップは子育ての基本。肌の触れ合いは親も癒します-ボーネルンドあそびのもりONLINE
筋肉への負荷が増して基礎代謝アップが狙える
赤ちゃんを抱っこして歩くということは、赤ちゃんの体重分のウェイトを付けた状態で歩くということです。
抱っこひもは正しい装着方法で使用すれば腰などへの負荷が軽減されるように作られていますので、それほどつらくはありません。
もしあなたが、休日にしか行かないジムでランニングと軽いウェイトトレーニングしかできていないなら、いっそのこと解約して赤ちゃんと一緒にお出かけする方がお得かもしれませんよ?
また、女性は筋力が男性より少ない上に、授乳で長時間同じ体制をとったりするので、肉体的な負荷が蓄積している可能性があります。
これも男性が着用すべきとする理由のひとつです。
ちなみに下記が、赤ちゃんの平均体重です。
月齢 | 女児の体重 | 男児の体重 |
---|---|---|
新生児 | 2.91kg | 2.98㎏ |
生後1ヶ月~2ヶ月未満 | 4.46kg | 4.78㎏ |
生後2ヶ月~3ヶ月 | 5.42kg | 5.83㎏ |
生後3ヶ月~4ヶ月 | 6.16kg | 6.63㎏ |
生後4ヶ月~5ヶ月 | 6.73kg | 7.72㎏ |
生後5ヶ月~6ヶ月 | 7.17kg | 7.67㎏ |
生後6ヶ月~7ヶ月 | 7.52kg | 8.01㎏ |
生後7ヶ月~8ヶ月 | 7.79kg | 8.30㎏ |
生後8ヶ月~9ヶ月 | 8.01kg | 8.53㎏ |
生後9ヶ月~10ヶ月 | 8.20kg | 8.73㎏ |
生後10ヶ月~11ヶ月 | 8.37kg | 8.91㎏ |
生後11ヶ月~12ヶ月 | 8.54kg | 9.09㎏ |
バックル外しの恐怖を回避できる
今日、バスで抱っこ紐バックル外し男に遭遇した🤮
— さめはだ (@same_sk1n) June 25, 2020
狙われてたのは自分じゃなくて別のお母さんで、明らかに怪しい動きをしている男が居たから思わず「何してるんですか?!」と声を荒らげてしまった
男はめちゃくちゃ動揺してて言い返そうとしてたけど、私の後ろにいた屈強な夫を見て黙り込みすぐに降りた
世の中には思いもよらない人がいるもので、見知らぬ人から抱っこひものバックルを突然外される事案が発生しています。
立っている状態からもし赤ちゃんが落下したとすれば1mほどの高さから、下手をすれば頭から落下することになり、重症もしくは死亡してしまうことにも繋がりかねません。
しかもこのばっくる外し、女性がひとりの時を狙ってやるそうで、非常に性質が悪いです。
もし家族一緒にお出かけしていたのだとしても、買い物やお手洗いの時などに別行動をすこともあるはず。
男性が抱っこしている分にはバックル外しの可能性が少なくなるようなので、自衛手段のひとつとして、あなたが引き受けましょう。
まとめ
子連れ男性が抱っこひものバックル外しに遭ったり、ベビーカーを蹴られたり、注意と称した罵倒に遭うことは少ないが、女性だと普通に起こり得る。にもかかわらず子育ての大半を女性に押し付ける。日本の男性たちは「家族を守る!」と豪語するが、むしろ危険に晒していることを分かっているのだろうか?
— 勝部元気 Katsube Genki (@KTB_genki) October 8, 2019
抱っこひもを男性が使うということは自分自身に対するメリットがあるとともに、大切な家族を守ることにつながります。
普段仕事で子供と触れ合う機会が少ない人ほど、お出かけの時に積極的に抱っこひもを使っていきましょう。


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