2月9日、日本経済新聞のWeb版で育児休業給付金に関する記事が公開されました。日経だけでなく、他の主要新聞社からも出ていましたね。
記事の一部を引用すると、
政府は育児休業給付金の支給水準を引き上げる検討に入った。賃金の最大67%の給付率を80%まで引き上げる案が現段階で浮上している。受給中は社会保険料などが免除されるため、育休取得前の手取り月収とほぼ同額を実質受け取れる。男性の育休取得や少子化対策を後押しする狙いだ。ただ、財源負担を巡り慎重な声もあり、議論は難航する可能性もある。
日経新聞Web版2月9日 育休給付金 引き上げ検討 政府案、賃金の最大8割 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO55443080Z00C20A2EAF000/
ということです。
目的は男性の育休取得の後押しとなっていますが、この施策が実施されたとして取得率は上がっていくのでしょうか。
素人なりに勉強してみた結果としては、
“上がるけど、本格的に上げるにはもっと手を加えるべきところがありそう”
という結論に達しました。(半端でスミマセン)
今日はそんな内容で書いてみたいと思います。
育児休業給付金とは
まず育児休業給付金について簡単におさらいしておきたいと思います。
育児休業給付金は厚生労働省が推し進める国の支援金で、 賃金の最大67%を受け取ることができます。
育休中は勤め先からの給料がゼロになるため、収入面で非常に不安を抱えることになりますが、この給付金によってその不安を軽減することを目的としています。
産後休業期間(出産日の翌日から8週間)が終了した次の日から、子どもが1歳に達する前日までが基本の取得期間です。
その他申請方法や細かい制度内容については趣旨とはずれるため、厚生労働省のWebページ等をご参照ください。
現在の育児休業取得率
現在の育休取得率は、女性で8割以上といわれています。では男性はでしょうか。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングから2019年6月17日付で公表されている資料(リンクはコチラ)を見てみると、
男性の約8割は何らの出産・育児を目的とした休暇・休業を取得している。
平成29年度 厚生労働省委託調査結果より
男性の子育て参加の現状と課題 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
あれ?取得は結構してるんですね!と思うかもしれませんが、育休だけでなく、有給が含まれています。育休だけだと8.2%です。
あと期間も1週間未満がほとんどです。1週間未満なんて、何ができるんですかね(笑)
私も1カ月しか取っていないので偉そうなことは言えませんが、正直取得率を上げるための付け焼刃みたいなものですね。
取得率は上がるか
給付金の増額が取得率アップにつながるかを考えるために、取得しない理由を確認してみるのが近道と思います。
上記資料によると、
- 会社で育児休業制度が整備されていなかった 27.5%
- 職場が育児休業を取得しづらい雰囲気だった 25.4%
- 業務が繁忙で職場の人手が不足していた 27.8%
- 収入を減らしたくなかった 15.5%
などなど多数あります。

複数回答設問の結果なので一概に言えないかもしれませんが、先ほどピックアップしたもののほとんどが職場環境によるものですが、収入を減らしたくないは15.5%です。
今回検討されている給付金の引き上げで解決できるのは、このわずか15.5%分だけなので、冒頭にあげたように「上りはするけど、大きく引き上げるにはもっと手をかけるべきところがあるよね」って考えに至りました。
やっぱり職場の理解と協力が無ければ、取得しにくいですよね。
金額の規模が違って難しいのかもしれませんが、こちらに税金をかけてほしいなと思います。
私も取得はしましたけど、周りからの印象はあまりよくなかった感じがしました。(取得が推進されていることはわかりつつも、周りも取ったことが無いため)
まとめ
以上、男性の育児休業取得について育児休業給付金の増額が効果があるか、ということを考察してみました。
男性の育休取得に対する企業側の理解はまだまだ途上にあり、給付金の引き上げが直ちに取得増加につながるとは考え難いのかな、というのが現状です。
財源の問題もありますし、ただただばらまくのではなく、取りやすい環境づくりがされるよう、制度の制定や企業側への補助金など検討してほしいなと思います。