かねてよりこのブログでも取り上げている
プログラミング学習の必修化など、
義務教育を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。
そんな中で2019年12月に文部科学省が、
『GIGAスクール構想』
という新しい国の施策を発表しました。
約2,300億円という巨額の補正予算が
盛り込まれた一大事業です。
ではこのGIGAスクール構想とは何なのか。
また、小中学生の子を持つ親世代はもちろん、
これから小学校に上がる子を持つ親として知っておくべきことはあるのか。
今回はこれらについて、私なりにまとめてみた結果を
親世代の方々と共有できればと思います。
なお、文中ではITになじみのない方には
聞きなれない単語が出てきます。
そういったものにはザックリとした解説を
できるだけ付けていきますので、参考になれば幸いです。
■GIGAスクール構想とは
GIGAスクルール構想の「GIGA」とは
Global and Innovation Gateway for All
の頭文字をとったものです。
意味としては、
“すべての人に向けた、地球全体と革新への入り口”になる学校
といった感じでしょうか。
ICT※1教育後進国と言われている現状からの脱却を目指す
という事が目的とされている事業です。
具体的にはこの後も触れていきますが、
生徒児童1人1台のパソコンを配備し、ネットワーク技術を有効に使った
教育を行う環境を整えます、という宣言がなされています。
※1:ICT(アイシーティ)
→ Information and Communication Technology (情報通信技術)
通信技術を用いたコミュニケーションのこと。それを行う端末をICT機器などという。
◎小中学校で行われること
このGIGAスクール構想では、主に国から出る補助金が、
非営利法人から公募により選定される補助金執行団体を通して
申請した都道府県や市町村に送られ、
環境の整備が行われていきます。
●教育用PCの配備
先ほど1人1台のパソコン配備と書きました。
基本的には学校に用意させる形です。
- Microsoft Windows
- Google Chrome OS
- iPadOS
これらのなかで、
- 無線でないキーボードやIN/OUTカメラを装備
- マイク・ヘッドフォン端子あり
- 多少荒く扱っても壊れにくい
などの標準仕様が満たされているものを
1台当たり4.5万円(私立は半額。上限4.5万円)の補助金使って
配備することになっています。
●ネットワーク設備の配備
配備するのはパソコン端末だけではありません。
クラウド※2を使うことを想定した、ネットワーク設備が必要です。
将来的に設備を更新があり得ると想定し、
容易な更新が可能な形で、
かつ、大容量の動画視聴などの通信に
対応可能な設備の調達が求められています。
※2:クラウド(クラウドコンピューティング)
→インターネット経由で提供されるアプリなどのサービスを言います。
Gmailなどはその代表的な例です。
●その他
他にも教育情報に対するセキュリティの強化や、
ICTを利用した教育の例などを共有するなど、
さまざまな面での標準仕様が提示されています。
もっと詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください
(文部科学省のウェブページに飛びます)
■家庭で知っておきたいこと
今回文部科学省が発表している内容は、
直接的に家庭に何か強いるものではありません。
しかし、この教育を受けることになる子の親として
以下の3点は知っておきたい、気を付けたいことだと思います。
◎自身が受けてきた教育とは違うと把握する
親世代は受けてきた、黒板とチョークを使った
いわゆるクラス内が全員同じペースで学習することを
強いられる環境ではありません。
また、手を挙げて発表した子だけが発表するのでなく、
手を上げない子を含めた、いろいろな意見の交流が生まれます。
そういった新しい教育なんだと、知っておくことが必要です。
◎頭ごなしに否定しない
人間、得体の知れないものに対しては、
否定をしたくなる気持ちが生まれがちです。
ですが、自分が受けていた時代の教育の方がよかったと
妄信的になり、子どもが受けている教育を
頭ごなしに否定しないようにしましょう。
時代が違えば教育も変わるはずです。
何も変わっていない方がむしろ否定されるべきです。
◎親も興味を持って子どもと接する
自分の時代と違うということは、親にとっても
新しい気付きになる可能性が高いです。
知識は常にアップデートして行くべきものと考え、
子どもが学校で学んできたことを聞いてみる。
これが子ども自身のアウトプット(復習)につながり、
さらには親が新しいものを知る機会につながるはずです。
まとめ
今回の記事をさっとまとめると
- GIGAスクール構想はICT後進国脱却のための施策
- 1人1台のパソコンと高速ネットワークの配備がされる
- 子どもだけでなく親も新し教育に柔軟な意識で対応しよう
という感じです。
せっかく新しいことが始まるのですから、
これをひとつの子どもとのコミュニケーションの
きっかけとしてとらえてはいかがでしょうか。