化学調味料の危険性~子どもが食べても害はないの?~

少量を振りかけることで味を調えてくれる

優秀な調味料である「化学調味料」

現在では「うま味調味料」と呼ばれていますが、

“化学調味料は危険だ”という話、

どこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。

実はこれ、かなり古い考え方なのです。

現在では長期的に摂取しても問題無い調味料である、

という考えが世界規模で広まっています。

今回は2児の父である私の立場から、

化学調味料に害があるとされてきた経緯や、

子どもが摂取する場合はどうか、ということについて

まとめてみました。

化学調味料とは

一般的に化学調味料とは、

昆布だしのうま味成分として知られる

グルタミン酸から作ったグルタミン酸ナトリウムを主成分に

イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムなどを

配合して作られる調味料の事を指します。

「化学」という表現がもつ悪いイメージから

「うま味調味料」という表現をするよう変化し、

現在、食品添加物としては「調味料(アミノ酸等)」と

表示されています。

※化学調味料という単語自体は、

食品表示基準などの行政上のでも使用されておらず、

明確な定義も無い単語になっていますが、

ここでは便宜上、上記の一般的な意味として使用します。

代表的な商品『味の素』

化学調味料の代表的な商品として

味の素株式会社の『味の素』があります。

化学調味料という呼び名は、

この『味の素』をNHKで放送する時に

商標表現を避けるために使われた呼び名と

言われています。

『味の素』は1909年の発売当初、

小麦などに含まれるタンパク質であるグルテンから

製造されていました。

その際、効率的に製造を行うために

石油由来の成分を合成していたこともあり、

これが悪いイメージが付いた原因のひとつです。

『味の素®️』の製造工程

かつては石油由来成分との合成によって

製造されていた『味の素』ですが、

現在は天然のサトウキビを発酵させる方法で製造されています。

味の素製造工程
https://www.ajinomoto.co.jp/aji/umami/より
  1. サトウキビを絞って糖蜜をつくる
  2. 糖蜜を発酵させる
  3. 糖蜜からグルタミン酸ナトリウムをつくる
  4. 粉状に加工して完成

※もっと詳しい工程は コチラ で紹介されています。

化学調味料に害はあるか

ここからようやく本題となりますが、

冒頭でも述べたように、現在では

化学調味料を長期的に摂取しても

健康には問題無いとされています。

かつては害があると信じられていた

ではなぜ害があるとされていたのでしょうか。

このことに大きな影響を与えた原因が、

“中華料理店症候群”の存在と

グルタミン酸が神経毒の性質を持っていることにあります。

中華料理店症候群

1968年、

アメリカの中華料理店で食事をした人たちの一部が

頭痛や体の痺れ、痛みなどを発症しました。

この原因が、中華料理店で広く使用されていた

MSG(グルタミン酸ナトリウム)であるとし、

それが

「中華料理店症候群(チャイニーズレストランシンドローム)」

と名付けられたのです。

グルタミン酸は神経毒

グルタミン酸は神経伝達物質であり、

記憶や学習について重要な役割を持っています。

しかし一方で、興奮毒性というものを持っており、

脳に血液が不足して神経に異常が出る(脳虚血)などの

病的な状態においては、神経細胞を破壊する神経毒として

働くという性質もあります。

グルタミン酸ナトリウムに危険はない

先ほどの中華料理症候群については、

その後の研究でグルタミン酸ナトリウムとの因果関連は

無いことが証明されました。

また、神経毒としての心配については

グルタミン酸自体が腸内で

ほぼエネルギー源として使われることなどから

毒性は否定されています。

さらに必須アミノ酸の一部が使われる際に生み出される

キヌレン酸という物質が、

グルタミン酸の興奮毒性を抑える働きがあることも

わかっています。

これらの流れもあり、現在では世界中で

グルタミン酸ナトリウムの安全性が認められています。

グルタミン酸ナトリウムの安全性評価
https://www.ajinomoto.co.jp/products/anzen/keyword/aji.htmlより

子どもへの影響

危険性がないと評価されたグルタミン酸ナトリウムですが、

子どもが摂取する場合はどうでしょうか。

過剰摂取に注意

ナトリウムと名前がついているだけあって、

食塩の1/3ほどではありますが、塩分を含んでいます。

日本では1日8グラム未満(世界標準は5グラム)が

成人の食塩の摂取基準。

子どもの場合は5歳未満で4.0(女性は4.5)グラム未満を

目標とされていますから、これを守ろうとするのであれば

化学調味料分もしっかり加味する必要があります。

バランスの良い食事を

これは大人でも同じですし、

先ほどの食塩と通じるところもありますが、

栄養バランスの良い食事をしましょうということ。

神経毒の部分で言えば、

グルタミン酸の興奮毒性を抑える物質は

必須アミノ酸から作られます。

つまり、食事等で摂取する必要があるということです。

親が偏った食事をしていると、

同じ食卓を囲む子どもも同じような傾向になりがちです。

記憶や学習にグルタミン酸が作用するわけですし、

化学調味料だけを毛嫌いするのではなく、

上手に取り入れていくことを考えましょう。

まとめ

化学調味料がなぜ有害とされてきたのか、

そして子どものことを考えた時にどのように付き合うべきか

ということを書いてきました。

  • 化学調味料は天然の素材から作られている。
  • 摂取すること自体が害になることはない。
  • 子どもも大人も適量が大事。
  • バランスよく食事をしよう。

というのがまとめになるかと思います。

特に食塩摂取量については気を付けやすい部分だと思うので、

普段から気を付けたいものですね。

≪参考≫

Wikipedia 「グルタミン酸ナトリウム」 「うまみ調味料」 「グルタミン酸

日本うま味調味料協会ウェブページ

味の素株式会社 うま味調味料「味の素」ウェブページ

厚生労働省 保育施設等における食塩の適切な摂取量について

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